« 鎌倉由比ヶ浜漂着馬歯について | トップページ | わたしの特別な書棚から-専門書紹介-(11) »

2007年6月22日 (金)

静かなるネコ・グル

  1_4

だいたい隔週で思い出のイヌやネコのことを綴っているけど、   再びかれらとまみえることは楽しい反面、結構エネルギーのいることだと思う。

亡きものたちのもとに自分の心をとばすこと、そして過去と現実とのギャップ、そうしたものの反動のせいか、がっくりと疲れてしまう。単に年齢のせいだろうか。

今回はグルのこと。思えば、もう20年以上前だ。

写真はグルが3匹いるわけではない。特殊フィルターによるただの遊び写真です。彼女は写真嫌いで、なかなか正面からの写真を撮らせてくれなかった。カメラをむけると、ついっと行ってしまうのだ。これは、珍しくじっとしていてくれたときの一枚だが、さらに撮ろうとしたら、背中をむけてしまった。いま見ると、不愉快そうな目つきをしている。

だいたい、グルは静かなネコだった。シャアがいたときは、シャアの爆発的な活動力にひっぱられ、むかいの畑に行ったり、庭の物置の屋根から家の窓の小さな庇にとびうつり、そこからさらに2階のベランダへとよじのぼって、気がつくと、わたしの部屋の本棚の空きスペースに入って、大騒ぎを演じていたりした。でも、本来はおとなしく、静かなネコだったのだろう。シャア亡きあと、遊びまわることもなく、じっと庭のすみにいて、わたしが帰宅するのを待っていた。

帰ると甘えて寄ってきて、のどをならす。そもそも、やたらのどをならすので「グル」という名になったのだ。ごはんをあげ、ひとしきりなでまわす。その間、あとまわしにされた柴犬ラックが、寂しげな顔でこっちを見ていたっけ。

そんなグルが夜中にか弱い声で鳴きつづけていたことがある。寒い冬の夜。いってみると、彼女は庭の池におちて、浅いところだったのに、這い上がれずにいた。

すぐに家に連れ帰り、ネコは家に入れてはいけないといっていた母を目で制し、お湯で体を洗って弱目のドライヤーで乾かした。グルは腰を抜かした状態で動けず、その晩はわたしの部屋でいっしょに寝たのだ。うまいこと、そのまま部屋でずっといっしょにと思ったが、翌朝動けるようになると、グルはしずしずと外へ出て行った。グルが自己主張の声をあげたのはそのときぐらいで、あとはずっと庭の一角で遠慮がちな生活をつづけていたっけ。

それでも、一応ネコらしく、ときどきネズミやヘビの子を連れてきて、わたしを(わたしだけを)喜ばせてくれた。グルは、その後ネコを完全室内飼いにするまでは、もっとも密度のこいつきあいをしてくれたネコだったような気がする。

わたしが就職し、家にいられる時間が少なくなるまでは。

にほんブログ村 猫ブログへ

|

« 鎌倉由比ヶ浜漂着馬歯について | トップページ | わたしの特別な書棚から-専門書紹介-(11) »

「ペット」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/247234/6870536

この記事へのトラックバック一覧です: 静かなるネコ・グル:

« 鎌倉由比ヶ浜漂着馬歯について | トップページ | わたしの特別な書棚から-専門書紹介-(11) »