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2007年7月13日 (金)

わたしの特別な書棚から-専門書紹介-(16)

動物考古学関係

骨からその動物の種を同定するには、実物標本が手元にあるのが一番いい。しかし、魚類以外の動物の骨格標本をそろえるのは、個人レベルではなかなか難しい。そこで、標本のないものは、獣医解剖学などの図版などをみて、遺跡出土資料の骨と比較することになる。とはいえ、これも簡単にはいかない。標本があればものの数分で判明することが、図版相手だと、そしてとくに遺跡出土資料が破片だったりすると(ほとんどがそうである)何時間も迷ってうなることになる。

今回はそうした図版資料として、よく利用させていただいている本を紹介したい。

Book
馬の解剖アトラス
著者 Klaus‐Dieter Budras,サビーネ・レック, 橋本 善春
販売元   チクサン出版社
定価(税込)   ¥ 15,750

神経系統や筋肉など、骨格部分以外の記述が多いが、ウマの基本骨格を見るにはいい。ただ、脊椎骨の図版にもう少し詳しいのが欲しかった。

Book 牛の解剖アトラス

著者:Klaus‐Dieter Budras,Robert E.Habel
販売元:チクサン出版社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

上記の本のウシ版。やはり脊椎骨の個別詳細図があれば。

Book 新イヌとネコの臨床解剖カラーアトラス

販売元:チクサン出版社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

これは写真で構成されたもの。イヌとネコは骨格標本も所蔵してあるのだが、大事に保管してあるため、ちょっと調べるには、だいたいこの本を使っている。

『動物考古学』

これは学術専門誌。動物考古学研究会の会誌である。専門的研究論文のほか、2002年の19号より「哺乳類動物骨格図集」を連載している。

19号にイノシシ、シカ、イヌ、タヌキ、キツネ、アナグマ、カワウソ、ノウサギ、ムササビ、ニホンザルの各骨

20号にトド、アシカ、イルカ類の各骨および、19号掲載種の追加

1号とんで22号にアザラシ類、リクガメ、ウミガメ類各骨

23号にウシ、ウマ各骨

24号(現在最新号)にクマ類、ネコ、テン各骨

というラインナップになっている。ただ、これは図版が並ぶのみで、各骨についての詳しい記述などはない。

まとまった本としては、こうしたものだが、骨を見分けるためには、来る日も来る日も、実際の骨を飽くことなく見続けることだろう。手にした資料がある図版とそっくりでも、見分けるポイントをはずしていると大間違いになることが多い。このポイントをはずさないようにするには、実物の骨を見続けるしかないと思う。

ちなみに、骨格標本欲しさに生きている動物に手をかけるようなことは、学問のためであっても認め難い。わが師もそのまた師(直良信夫先生)も骨格標本は学術資料として収集されていたが、なにかの縁で生きた動物を入手した場合は、生かせる限りは生かすとがんばって飼育されていたようだ。飼育技術があると、対象動物は長生きし、情もうつり、こうなるともう家族である。

学問には、愛が必要である。 

(17)へつづく

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