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2007年7月24日 (火)

わたしの特別な書棚から-専門書紹介-(18)

考古学関係

考古学は、「もの」を相手にする学問であり、そのため、出土遺物に関する研究は、年々細かく深くなっていく。しかしその反面、遺物をみるだけで終わっている傾向も最近強くなっている気がする。珍しい土器だ、貴重品だ、200万円はする壺だなど、それだけで「わあ、きゃあ」騒ぎ、「きみらは骨董屋か」といいたくなるときもある。遺物や遺構をひとつの資料、歴史を分析する要素のひとつとして当時の社会や人をみることが、この学問の役割なのではなかったか。

その点、ちゃんとやろうとするひとは、ちゃんとやろうとするのだ。今回は、そういう面からの本を何冊か紹介したい。

伝説と史実のはざま―郷土史と考古学 Book 伝説と史実のはざま―郷土史と考古学

著者:比田井 克仁
販売元:雄山閣
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これは、東京中野区を舞台にした郷土伝承を考古学的情報をもちいて検証していこうとするもの。歴史というのは、どの時代にしても、こうした地域ごとにみていく視点が大切だと考えていたので、本当に歴史を読み解こうとしているひとの本として、嬉しくも先々が楽しみな一書である。

弥生時代のヒトの移動―相模湾から考える
Book
弥生時代のヒトの移動―相模湾から考える
販売元 六一書房
定価(税込)   ¥ 2,940

これも、弥生土器などの遺物をひとつの要素として、当時の人の動きを考えようとするもの。

鶴見川流域の考古学―最古の縄文土器やなぞの中世城館にいどむ Book 鶴見川流域の考古学―最古の縄文土器やなぞの中世城館にいどむ

著者:坂本 彰
販売元:百水社
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鶴見川流域という地域を限定して、その地域の歴史を考古学的情報でみていこうとするもの。旧石器から近・現代の戦争遺跡まで、イラストをまじえ、一般のひとにもわかりやすく書かれている。

鎌倉街道伝説 10〜100歳に贈る感動と発見の「えっ! 本」シリーズ Book 鎌倉街道伝説 10〜100歳に贈る感動と発見の「えっ! 本」シリーズ

著者:宮田 太郎
販売元:ネット武蔵野
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これは鎌倉街道にこだわっている著者が、懸命に自分で調べ上げたことをまとめたもの。専門の考古学者よりも、こうした地道な研究者の努力が、大きな歴史解明をなしとげたりするのだ。写真やイラストが多く、この街道沿いを活動することの多い自分としても、目を開かせてくれる本。

こうした地域ごとの歴史を考古学的に調べてまとめた本というのは、まだまだある。しかし、なかなか書店に並ぶことが少なく、郷土資料館とか、その地域の小さな書店に何気なく置いてあったりする。こまめに探していると、いい本にも出会えるでしょう。

(19)へつづく

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