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2007年8月

2007年8月30日 (木)

パグ絵・大化の改パグ

      Taikanokaipug_2

「大化改新」より

「大化の改パグ」というタイトルが頭に浮かんだものの、絵のイメージができないうちに描きだし、「どうしよう」と思っているうちに、パグだらけになってしまいました。

相変わらず、タイトルがなければ何の場面かわからないもので、どうもすみません。

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2007年8月28日 (火)

お地蔵さん、空へ

         Photo

              地蔵撮影地は、横浜市称名寺

なお、『マンガブログ』に鷲羽涼の絵を一枚追加しました。

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2007年8月25日 (土)

パグ絵・伝助-パグ

          Densukepug

大宮伝助を知っているひとは、どれだけいるだろう。こどもの頃、土曜日の昼に学校から帰ると、テレビの「伝助劇場」を見ながら昼ご飯を食べたものだ。

パグをじっとみていると、その伝助を思い出してしまうのは、わたしだけだろうか。

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2007年8月23日 (木)

わたしの特別な書棚から-専門書紹介-(22)

『縄文の動物考古学』について

縄文の動物考古学―西日本の低湿地遺跡からみえてきた生活像 Book 縄文の動物考古学―西日本の低湿地遺跡からみえてきた生活像

著者:内山 純蔵
販売元:昭和堂
Amazon.co.jpで詳細を確認する

考古資料のうち、土器や石器だけではなく、動物遺体をはじめとする自然遺物の分析・調査も重要であり、そうした面からの研究も進めていこうとするニューアーケオロジーという概念が提唱されたのは、1970年代のことだった。

ところが、いまだに発掘調査段階で動物遺体資料は捨てられたり(とくに江戸遺跡)、目だった大きなものしかサンプリングしないとか、といった事態は普通に行われており、予算がないからと、分析対象にすることもおそろしく少ない。こんなことは、土器や石器ではありえなかいことである。

こうしたことが続いているのは、動物遺体を専門とする人間(つまり、わたしのような)が、その重要性をちゃんと説いてこなかったからである、といわれたこともある。そこで、なんとかしなくては、と思いつつあるところ、『縄文の動物考古学』と、ストレートなタイトルの本が出た。これは、久しぶりに刊行された「動物考古学」の概説書に違いない。そう思って、喜んでさっそく購入し、読んでみた。

結果、期待とは違っていた。この本は、福井県鳥浜貝塚と滋賀県の2遺跡から出土した縄文期の動物遺体資料を使った、長大な研究論文といったもので、一般向けの概説書とはいえないものであった。著者も、とくに動物遺体の専門家でもないのかな。

論文の内容に関しては、順序だてて細かくさまざまな分析を行っているようで、きめ細かさを感じるが、結論として、シカ猟・イノシシ猟を○月、○○月と、現在の12月で記述しているところが気になる。

動物というものは、1月だから、2月だから、といった形で生活しているわけではなく、気候など環境条件によって生態状況も変化するものであろう。となると、狩猟時期を推定するには、まず縄文期(それも、前期や後期ではまったく違う。縄文海進、海退というのがあって、前期などは気候温暖期にあって、関東でいえば、東京湾などは、湾奥は現在の埼玉県にまで達していた)の気候、それによる地域的植物相・動物相なども考慮にいれ、その環境下では、研究対象とする動物がどういう生態を示すのかを調べなければならないだろう。

現代でも、暖冬、猛暑、温暖化などで、動物が通常とは異なる動きをみせて、ニュースのネタになったりしている。環境条件というものは、決して無視できるものではないのだ。本書は、そこのところの詰めが甘いようだ。せっかく細かく検討しているのだから、こうした面も大事にしてほしかった。

とはいえ、わたしもかつて、気候温暖化期にあった縄文早期の、スズキ(某貝塚出土の主体魚種)の漁労時期を推定しようとして、まず現在の気候条件でわかっているスズキの年間行動を、縄文早期の推定年平均気温にあわせて修正しようとしたら、一年中漁労可能ということになり、漁期の推定などできなかったことがある。また、こうしたことも、結局は机上論で、実際気温・海水温が高いときの動物の行動など、実際にそういう条件化での観察がなされないかぎり、なにが正しいのかわかりゃしないであろう。

よって、せっかくの本書も、結論的には、参考でとまってしまうかも。それでも、こうした研究方法を提示していただけたということで、考古資料としての動物遺体分析の重要性も、世に伝えられたのではないか、とも思う。本書の意義は、「あとがき」に書かれている。わたしの抱いているいらだちも、著者の思考と相通じるものだろう。考古学という世界には、もっと、こういう研究者が必要なのだと考える。

ただ、統計学的用語・方法などは、説明もないため、一般にはよくわからないだろう。一般書籍として刊行する以上、そうした面での配慮も欲しいところではある。

刺激をいただいた。いつか、自分もちゃんと一書を書かねばと思うしだいである。

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2007年8月21日 (火)

鎌倉漂着のクジラ骨

鎌倉の材木座海岸にて採集したもの(由比ヶ浜だったかも)

          Photo

                    側面観(やや下側から)

           Photo

                     前面観拡大

種名まではわかりませんが、クジラ類の椎骨と思われます。横突起が欠損し、棘突起部を含む右側が失われているのでしょう。割れ口は自然なものとは見えず、磨耗していますが、椎体のほぼ中央で断ち割られているようで、解体され遺棄されたものかもしれません。時代も不明です。

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『マンガブログ』について

ここのところ、『闇の密霊師(鷲羽涼)』のイメージ画をポツポツと描きだしまして、このブログにものせてきましたが、この作品はその構成上、どうしてもホラー的な場面が出てきます。

一方、この『ぶつくさぶろぐ』は本来ペット、動物のことを書こうと思って始めたものなので、ここに『鷲羽涼』が登場すると、どうしても違和感が生じてしまうのではと考えました。

ペットや動物のことでこのブログを訪れてくださったひとが、ある日突然見たくもない怖い絵を見てしまうことになったら、それは申し訳ないことです。

そこで、『闇の密霊師』は、『芝田英行マンガブログ』にまとめることにしました。その更新情報などは、こっちでも記載しようと思いますが、興味をもたれたかたは、お手数ですが、『マンガブログ』のほうに移行してください。

これなら、いきなり怖い絵を見ることもないと思います。どうか、よろしくお願いします。

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2007年8月19日 (日)

長瀞のパグを求めて

観光ガイドに埼玉県長瀞のポニー馬車にパグが乗っている写真があるのを見て、そのパグに会いたくて長瀞まで行ってみました。

この暑さのなか、ほんとうにパグが馬車と一緒に働いているのなら、暑さにはむちゃくちゃ弱いイヌのこと、それはそれでちょっと問題かもと思っていたのですが、行ってみると、馬車の影も形もありませんでした。

観光案内のおじさんにきくと、無期限の停止中とのこと。運営者の都合とのことでしたが、パグに会えなかった残念さもありましたが、暑さにひいひいいっているパグを見なくてすんだことはホッとしました。

そのかわり、近くのおそば屋さんの店頭で、パグの置物が愛想をふりまいてました。

今年の夏休みは、これで満足しときましょう。

             Photo_3

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2007年8月17日 (金)

「すみれ」の思い出

「すみれ」がやってきたときの話は、前回書いた。

やわらかく、ぬくもりがあって、抱いたり一緒に寝たりすることのできるネコがいる。

いつも、そばにいる。

そうした環境が、自然というもののない都心の生活で荒れ気味だったわたしの精神を癒してくれたのだと思う。ミニ・ジャングルと化していたわが部屋も、次第に落ち着きを取り戻していった。

この間、ハムスターや鳥の具合がわるくなることがあったりして、近所の動物病院に駆け込んだりしたのだが、灯もついておらず患畜もいないところでは、「小動物はみられない」といわれ、鳥をみてもらった獣医師からは「なんでもない。大丈夫」といわれた夜にその鳥が急死したりして、すっかり獣医師への信頼感が失われていった。獣医師のなかには、別に動物に関心があるわけじゃない、人間の医者になりそこねたから、といった輩が多いとも知り、信頼できる獣医師をみつけることはなかなか難しいなどと思っていた。

ならば、少しは自分でも勉強しようと考え、獣医学の本、なかには動物園関係者しか読まないような野生動物の獣医学書まで、よくわからないながらも読みあさり、こうしたことから、『チピ』というマンガを描くことになったりした。

「すみれ」の思い出をもっと書きたいと思う。でも、小動物に手を出さず、仕事のじゃまもしない手のかからないネコすぎて、これといった事件も起きず、あたりまえのふつうの生活ばかりで、特別ここに書くようなこともなかった。本当は、そんなことのほうが大切なんだろう。

かわりに、写真を何枚か掲載しておこう。

「すみれ」は、なぜかゴマフアザラシのぬいぐるみ、それも限定されたサイズのものだけがお気に入りで、それがボロボロになるまで持ち歩いて遊んでいた。当初はブームもあって、取替え用もすぐに手に入ったが、そのうちブームも去り、なかなかスペアも用意できなくなった。かろうじて江ノ島の売店にあったという情報を得て、わざわざ江ノ島まで買いにったのも、楽しい思い出だ。

「すみれ」はいつもそのぬいぐるみをくわえているので、ぼろぼろになる頃には、ぬいぐるみのニオイも結構きつくなり、なんだかナスの漬物のようなニオイになったやつもあったっけ。

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           「これ、ぼくの」

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   ぼろとなり、いろいろ縫い合わせて修理したけど、それでも宝

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               疲れて寝るのも、ぬいぐるみのそば

そうこうした年月がたったとき、ある事情から(父の病気に始まる家族間のことだけど、わずらわしいので割愛)引越しをしなければならなくなった。ここからが、大変なことになるのだが、その話は次回以降。

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2007年8月15日 (水)

わたしの特別な書棚から-専門書紹介-(21)

考古学関係

縄文時代の考古学 6 (6) Book 縄文時代の考古学 6 (6)

販売元:同成社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

シリーズの2回目配本が、やっと出た。

先に『ものづくり』というサブタイトルであることを知り、これまでの同類の本で、「縄文時代」、「ものづくり」とくれば、たいがい縄文土器製作とその施文方法についての話ときまっていたので、今度もまたそうだろうと勝手に決め込んでいた。そして、その場合の他書もいくつか考えていたのだが、本書を開いてみて、まったく違ったことに驚くとともに、ちょっと嬉しかった。

本書は、縄文土器については、ほとんど記載されていない。まあ、土器については他の巻でやるのだろうが(刊行予定をみると、第7巻かな)、この『ものづくり』で取り上げられているのは、石器を主体とし、これまであまりまとまった記載のされていない骨角貝製品を対象としている。

日本の考古学は有名な大森貝塚の発掘を主導した自然科学者の活動から始まり、縄文人骨収集の狂奔時代があり、その後縄文時代に関しては、土器の施文方法やら時代変遷を追う作業(編年という)を中心にして研究が進められてきた。

わたしの学生時代などは何々式の特徴はどうでこうで、というややこしいことをしきりに勉強させられたものだ。しかし、それがさらに細かくなるにつれて、土器は出土遺跡ごとに細分されるような展開になり、よく「このままじゃ、1遺跡、1型式になるぞ」などともいわれたものだ。

それが昨今、こうした編年中心、そればかりやってる感のある考古学のありかたに疑問をもつものも多くなり、そんな既存の考古学に嫌気がさし、これまでの考古学とは別の新考古学を樹立しようとする動きまで出始めたようだ。

土器は、過去の社会や生活、ひいては人間そのものを考察するためのひとつの要素である。わたしが専門としている動物遺体などもその要素のひとつなのだが、考古学の世界では、ともすればわたしの分野など、「考古学じゃない」といわれることも多い。そういう状態に長年むかむかしつつ、黙っていれば捨てられてしまいかねないイワシの骨やらアジの鱗をも資料としてふんばってきた。考古学は、土器だけでおわっていいものではないのだ。

ここ数年、石器の研究者が地道ながら目覚しく研究を進めているなとは思っていた。木製品や骨角貝製品についても、あまり目立たないながら、着実に成果をあげてきたのだろう。それが、やっと土器中心ならぬ本書という形になったのだろう。本書に記載されていることについては、これからじっくり読ませてもらおうと考えているが、なにはともあれ、考古学がまた面白くなってくるかもしれない。

ただ、考古学の専門用語の面倒くささは、もっとなんとかならないものかと思う。博物館に展示されている遺物の名称記述で、日本語では漢字だらけのわかったようなわからないようなものなのに、英語表記ではまことに簡略だったりする。こうしたことが、一般のひとがとっつきづらい要因になっているのでは。まあ、自分は学者が偉そうな顔しているのが気に入らない性質なもので、こうしたことは、また機会があれば、ひとりぶつくさいってやろうと思っていますが。

というわけで、今回はこの本一冊だけの紹介です。

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2007年8月14日 (火)

Bluemarinさんへ

Bluemarinさんへ

コメント、ありがとうございました。感動でした。

かつてイヌの本についてやりとりしたこと、覚えております。

愛犬さんは19歳ですか、ひとえに大事にされている家族の愛情でしょうね。うらやましいです。

また、よろしくお願いします。

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2007年8月12日 (日)

わたしの特別な書棚から-専門書紹介-(20)

動物学関係

イヌ

人間とイヌとの関わりについて書かれた本を何冊か紹介したいと思う。

人イヌにあう Book 人イヌにあう

著者:コンラート・ローレンツ
販売元:至誠堂
Amazon.co.jpで詳細を確認する

これは、基本中の基本となる本。のはずで、ずいぶん前に買って読んだと思うのだが、書棚のイヌ本のかたまりの中に見当たらない。書庫となっている物置(いまや中に入るのも一苦労)にあるのかもしれないが、内容を確認できなかった。でも、基本の本であることに変わりはない。

イヌ―どのようにして人間の友になったか
著者    J.C. マクローリン
販売元   岩波書店
定価(税込)   ¥ 968

これはイヌの進化から書きおこし、オオカミとイヌとの相違点(骨格を含む)や、最初に家畜化されたイヌをどう追求するかといった問題についての所見を述べている。専門的な面では、やや強引なところもあるようだが、一説として聞いておく必要はあるかも。

犬の日本史―人間とともに歩んだ一万年の物語
Book
犬の日本史―人間とともに歩んだ一万年の物語
著者 谷口 研語
販売元 PHP研究所
定価(税込)   ¥ 693

著者の専門は、日本中世史のようだ。縄文時代のイヌのことから書かれているが、記紀神話などの文献に書かれた事項や中世におけるイヌと人との関わり、江戸時代でのこと、さらには「犬の霊力・呪力・超能力」といったことにまで触れられていて、楽しい本である。

犬から探る古代日本人の謎―ヒトとともに生きてきたイヌの遺伝子が日本人のルーツを語る
著者      田名部 雄一
販売元   PHP研究所
定価(税込)   ¥ 714

これは、イヌの血液から遺伝子を抽出し、その組成分析から現在の日本のイヌが世界のどの地域にいるイヌに近いかを割り出し、日本犬の起源を探るとともに、そのイヌとともに生活していたはずの原日本人のルーツをも追及しようとするもの。画期的な研究内容であるが、その結論が学問的に認められるかどうかは、まだ他の面からの検証が必要であるといったところのようだ。

イヌの力―愛犬の能力を見直す (平凡社新書) Book イヌの力―愛犬の能力を見直す (平凡社新書)

著者:今泉 忠明
販売元:平凡社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

これは、単にイヌの能力について書かれた本ではなく、化石人類とイヌとの出会いから、イヌの祖先はオオカミなのかという疑問への検証、日本人とイヌとの関わりなど、歴史的な面に多くのページを割いている。

日本人とイヌとの最初の出会いというものは、まだはっきりとはわからない。縄文時代の遺跡から、イヌの埋葬遺体が出土していることから、この頃にはもう人とイヌとの関係は密接なものになっていただろうと推定されるのみだ。イヌ自体の起源に関しても諸説あり、有力説はあっても、確定的ではないようだ。こんなにも親しいイヌという動物について、われわれが知っていることは、まだまだ少ないようである。

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2007年8月11日 (土)

鎌倉漂着のイヌ・ネコの骨について

鎌倉由比ヶ浜・材木座海岸採集のイヌ・ネコの下顎骨を、ホームページのほうにまとめました。

興味のあるかたは、どうぞそちらをご覧ください。

ネコの骨はいずれも最近のもののようですが、イヌに関しては、最近のものと、古いものなのではと思われるものがあるようにみえます。所属時期を中世にもつものもあるのかもしれませんが、具体的・確定的なことはわかりません。

いずれ、他の骨部位についても、なんらかの形でまとめたいと考えています。

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2007年8月10日 (金)

池田屋のパグ

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          パグ絵・歴史シリーズ

       元治元年(1864年)新選組による「池田屋の変(池田屋事件)」より

   パグに焦点をあてたら、池田屋だかなんだか、わからなくなった。

   なお、本シリーズは、その時代や場所にパグがいたかどうかは、まったく考慮しません。

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2007年8月 8日 (水)

鬼瓦・パグ絵

              鬼瓦 その1    鎌倉市本覚寺にて

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              鬼瓦 その2    鎌倉市寿福寺にて

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              鬼瓦 その3   鎌倉市ぼたもち寺にて

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                         パグ瓦

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2007年8月 6日 (月)

鷲羽 涼~空白を埋める旅

          Washiba_1

                  さる古城へつづく石段にて

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2007年8月 3日 (金)

「すみれ」来る

1 ネコの「すみれ」の話 つづき

あれは、スミレの花が咲く季節だった。

その子ネコは、ある商店の店先に、鳥かごに入れられていたのだという。

「誰かもらってください」の紙とともに。

わたしはその現場を見ていないが、この話をきいたときも、いまみなお、子ネコの入った鳥かごが店の軒下にぶら下げられている光景が脳裏に浮かんできて、そうだったに違いないと思い込んでいる。実際は、違ったのかもしれないが。

ともかく、通りがって見かねたものがいて、そのひとが、前相談もなく、いきなりその子をひきとってうちに連れてきたのだ。

「芝田だったら」と思ったようで、そして、果たして、その通りになった。小さなその子を見るなり、わたしは覚悟をした。飼育環境はよくないが、いままでの経験を生かして、この子の面倒をみようと。もうひきとってきてしまったものはしょうがない、というより、自分がネコのぬくもりに飢えていた。

スミレの季節に来たから、名は「すみれ」。オスだったけど、そう決めた。

ただ、ひとつ問題があった。当時のわたしの家が公団住宅だったという以上に大きな問題。そのとき、すでにわが家は鳥だのリスだのといった小動物でいっぱいだったのだ。

ネコにすれば、お菓子の家に来たようなものではないか。

わたしは、すぐに板と金網を買ってきて、鳥たちのいる部屋の入り口に鍵もかかる網戸を作りつけた。「すみれ」はなかを気にしていたが、網も戸自体も結構頑丈に作ったため、とりあえずひと安心となった。

ところが数日後、わたしはずっと家にいたのだが、何気なく網戸の前を通ると、網のてっぺんがめくれて、大きな隙間ができているのが目に入った。

「しまった! すみれが網をよじのぼって入ったんだ」

わたしは、鳥たちの部屋へ飛び込んだ。しかし、その室内は何事もなかったように、いつもののどかさをたたえている。

「すみれ」は、窓際に置いてあった鳥かごの上で、日向ぼっこをしていた。かごの中の鳥も、恐れ騒ぐ様子はない。横にいるリスたちも、ハムスターも、平穏なままである。

「なんだ? この光景は」

一瞬、なにかを見間違っているのでは、と思った。

どうして、そろいもそろってネコを恐れなかったのかはわからないが、少なくとも「すみれ」側は鳥もリスもハムスターもウサギも、餌として認識していなかったようだ。というより、生き物とも思ってなかったのではないか。でも、網戸を破ってまで入ったのはなぜなのだろう。そうまでして、鳥かごの上で日向ぼっこがしたかったのだろうか。彼にとって、鳥かごは安心できる場所だったのだろうか。

わからない。

数日なりゆきを見ていたが、「すみれ」と小動物たちとの間にトラブルはまったく起きない。翌月には、わたしは苦労して作った網戸を廃棄することにした。そして、わたしが留守の間でもなにも起きることがなく、鳥かごとリスかごの間が「すみれ」の常の寝場所となった。わたしの心配も、雲散霧消した。

それにしても…。

このときの鳥たちは、「すみれ」がそばにいても平気なのに、窓の外をよそのネコが通るときは、警戒の大騒ぎをしていた。ということは、ちゃんとネコを見分けていたようだ。でも最初から「すみれ」の性質を見抜いていたということなのだろうか。ちょっと、不思議な気がする。

かくして、「すみれ」との生活が始まった。「すみれ」は完全室内飼い。わたしはそのころ、漫画を描くことに専念するため会社を辞めていた。わたしと「すみれ」は、ほとんど一日中、いっしょにいることになった。

つづく

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