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2007年9月 1日 (土)

「すみれ」との引越し

ネコの「すみれ」の話。そのつづきです。

を抱えて引越ししなければならなくなったのは、昭和から平成になって間もない頃であった。

バブル景気の末期ぐらいだったろうか。

引越し先はなによりもペット可でなければならないと考えていたが、そんな物件はまったくといってない時期で、周囲からも「探すだけむだ」といわれていた。知人でも、ペット不可でもネコを飼って、ばれてアパートを転々なんていうものが何人もいた。

それでも、引越しはネコにとっては大ストレスになる。何度も繰り返すわけにはいかない。そう思って必死に不動産屋をまわった。そうこうしているうちに、こっちの体調が崩れ、激しい胃痛に襲われ、吐き気とともにどす黒い何かを吐いたりもした。血がまじっていたのだろう。

最終的に、歩くのもつらくなった状況で入った不動産屋で、表向きはペット不可だけど、黙認してくれている物件があるときき、もうこれにすがるしかないとばかりに見にいった。

都心からは多摩川をわたった向こう側、生産緑地に囲まれた静かなところに、そのアパートはあった。すぐそばにイヌを何頭も飼っているお宅があり、アパートの周囲にはノラなのか飼い主がいるのか、ネコたちの姿がちらほら見える。アパート裏の駐車場は夜間ネコの集会所に化すといい、アパートの住人たちもネコ好きらしく、そこかしこに餌を与えた空ネコ缶が置いてある。

ちょっと無頓着すぎるところが気にもなったが、ここしかない、そう思い、私はすぐに契約をした。

そして、「すみれ」のストレスができるだけ少なくなるよう気をつかいながら、引越し準備を進めた。

ところが、引越し当日、「すみれ」はなるべく静かな部屋のすみにプランスティックのケージにいれおいたのだが、業者が組み立て式の大型タンスを運ぶ際、よりによってそのケージのそばでタンスの解体をはじめ、いままで静かに暮らしてきた「すみれ」にとっては天が砕けたような轟音をたてたうえ、同時にバランスを崩したタンスが業者のひとともどもケージに激突。ケージはゆがみ、ひっくり返り、出入り口の留め金までもがはずれた。

瞬時に「すみれ」は飛び出していく。私は、あわてて後を追った。気をつかいまくっていたのに、すべてがだいなしだった。「すみれ」は、開いていたトイレのドアから中に突入し、私がそこへ入ったときには、手洗いの三角形のくぼみにすっぽりはまるようにしてかたまり、恐怖まるだしの顔をしていた。

その後、「すみれ」はかたまったままだった。新しい部屋に移ってからも、動きだすまでは何時間もかかった。失敗だった。数日後、「すみれ」は通常にもどったように見えたけど、なにかいままでとは違ってしまったように感じられた。そして、やっぱり、心配でたまらなかった通り、この引越しを境に「すみれ」の体調が崩れていった。でも、動物はなかなか弱った姿を見せない。

「これは、ちょっとまずいぞ」とはっきりわかったとき、なんということか、「すみれ」より先に、私が倒れた。

引越しからほぼ半年がたったとき、クリスマスシーズンの真っ最中であった。

つづく

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