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2008年5月 4日 (日)

ひとりと5頭

ネコのニャア、チャミ、トラ、イヌの幸四郎とパグのモモ、かれらと暮らした日々が、ただただ懐かしい。

これだけいると、毎日だれかが問題となる。

ニャアは年老いてきて健康が心配だし、チャミは元気でとびまわり、しょっちゅう机や棚の上のものをはねとばしていたし、いっぽうでは皮膚が弱くて頻繁に獣医さんのお世話になっていた。ひとなつっこいネコだったので、診察台の上で獣医さんの腕に甘えまくり、「なんだ、この子は? こんなネコは初めてだな」といわれて笑われた。反対にトラはおとなしく、モモと遊んでないときは、病気ではないかと心配するほど静かだった。

幸四郎もシジくささが日ごとに増し、家のなかではひとり静かなところにいたがり、二階の私の仕事部屋へ隠れにいくものの、ときどき夜中など、階段から落ちてびっくりさせられることがあった。

モモはべたべたで、近所のひとにもかわいがられていたけれど、なぜかバイクの音が大嫌いで、宅配や郵便やピザの配達のひとが近くにくると、おさえられないほど大騒ぎをしていた。

ときには、そろってわるさをすることがあった。わたしが留守のあいだに、高い棚の上においてあった切り干し大根をネコが下に落とし、幸四郎とモモがちゃっかり食べてしまうなんて共同作業もやってくれた。それでも、わたしが帰宅すると、全員がドアの前になにくわぬ顔で勢ぞろいしており、わたしを王様になったような気分にもさせてくれた。

わたしの前で、甘えたい幸四郎とモモがもめはじめることもあったが、大声で「やめ~い!」というと、そろっておすわりし、わたしの目をみていっぺんに静かになった。留守中はどうだろうかと心配になり、おとなりの奥さんにきいてみたけど、「だれもいないみたいに静かですよ」とのこたえに安心もした。

そうこうしているうちに、当時妻だったひとはいよいよ離婚への決意をかためたようで、帰ってこない日がふえてきた。

仕事面でも、マンガをとるか考古学をとるかといった状態になり、たまたま縄文時代早期の埋葬人骨を掘るというめったに出会えない機会があったことから考古学を中心にすることにしたら、その後調査団と担当の役所の文化財係との関係がうまくいかず、ごちゃごちゃしたあげくに調査団の解体になってしまった。せっかくだったのに、仕事の続行ができなくなったのである。

しかたないので、民間の発掘会社で考古学をつづけようとしたが、民間の会社というのは、考古学をやる場ではなかった。そういう場所で仕事をするというのは、研究者の魂を売るようなものではないかという者もいたけど、5頭をかかえ、理想はいってられなかった。そこで仕事をするしかなかった。ワクチンやら治療やらでしょっちゅぅお世話になる獣医さんへの支払いもたいへんだったのだ。

私生活面であれこれ悩むうち、もう自分の希望など、どうでもよくなった。ともかく、いまいる5頭をそれぞれ寿命がつきるまで、なんとしてでも面倒をみなければならない。それだけが、自分に課された使命のようなものであり、それが果たせるまではがんばらなければならない。ただし、それが終れば、もう自分の人生などどうでもいいのだ、終ってもいいとまで考えた。とはいえ、それも少なくて10年。もしかしたら、15年か20年。結構ながいものだと思ったものだ。

ところが、5頭そろっている時期は、そんなにながいものではなかった。

       ※            ※

このあとは、残念ながら、悲しい話ばかりしなくてはならない。

それを書くのは、ふさがっていた傷をひらくようなもので、ちょっと覚悟が必要になる。

つぎにこのつづきを書くときまでに、もう一度気持ちを整理しておこう。

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